サンクコスト

サンクコストについての議論

ある会社が新規事業を立ち上げるかどうかの判断をする際に、通常、将来の予想追加キャッシュフローを現在価値に割り引いた、いわゆるNPV(ネットプレゼントバリュー)を計算するわけだが、以下のコストは考慮されるべきか否か?

(1)新規事業について、マーケットリサーチを1年前に行った。すでに50万円支払った。この50万円は、予想追加キャッシュフローに含めるべきか?

(2)新規事業(例えば、新ブランドの生産)を立ち上げたら、新ブランドの売り上げは増加したが、旧ブランドの売り上げが減少した。この場合の旧ブランドの売り上げ減少は、予想追加キャッシュフローに含めるべきか?

(1)の答え→古典的な、サンクコストの例。含めない。理由→新規事業開始にかかわらず、この50万円のマイナスは、払ってしまっており、変化ない、つまりサンクコストです。

(2)の答え→トリッキーな問題。その産業が独占企業の場合には、売り上げ減少もキャッシュフローに反映させるべきでしょう(カニバライゼーション)。しかし問題は、その産業が競争的である場合。カーニバルによる売り上げの減少と思っていたものは、実は、他社のイノベーションによって引き起こされたものかもしれません。即ち、予想追加キャッシュフローには含めません。



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